
ホテルで眠れない『ファーストナイト効果』の正体
Calmoon睡眠ラボでは、「睡眠・休息を科学する」をテーマに、睡眠に関する科学論文を研究しています。そのなかから、あなたの生活にすぐ役立つ情報をピックアップしてお届けします。

旅行先のホテルで、初日だけなぜかよく眠れない…そんな経験はありませんか?実はこれ、「ファーストナイト効果」と呼ばれる、科学的に説明できる現象なんです。楽しみにしていた旅行なのに、初日の睡眠不足で翌日がつらい。そんな悩みを解消するヒントをお届けします。
ファーストナイト効果の正体
ファーストナイト効果とは、初めての場所で眠るとき、睡眠の質が低下する現象のことです。研究によると、初日の夜は脳の片側が「警戒モード」を保ったまま眠っていることが分かっています。
これは、イルカなどの海洋哺乳類が持つ「半球睡眠」に似た状態です。イルカは泳ぎながら眠るために、脳の片側ずつ交代で眠ります。人間も、慣れない環境では無意識のうちに、脳の一部を覚醒状態に保って危険に備えているんですね。
なぜ初日だけ眠れないのか
人間は長い進化の過程で、新しい環境に対して警戒心を持つように適応してきました。知らない場所では、何が起こるか分からない。だから脳が「完全にリラックスしてはいけない」と判断するのです。
具体的には、初日の夜は深い睡眠に入りにくく、ちょっとした物音で目が覚めやすくなります。周囲の音や光にも敏感になり、寝つきも悪くなりがちです。
ホテルのエアコンの音、廊下を歩く人の足音、カーテンから漏れる街の明かり。普段なら気にならないようなことが、なぜか気になってしまう。これがファーストナイト効果の特徴です。
2日目からは眠れるようになる理由
不思議なことに、2日目の夜からは比較的よく眠れるようになります。これは、脳が「この場所は安全だ」と学習したからです。
初日を無事に過ごせたことで、脳は警戒レベルを下げます。環境に慣れ、ホテルの部屋の音や光にも適応していきます。こうして、2日目以降は普段に近い睡眠が取れるようになるんですね。
ファーストナイト効果を軽減する方法
では、どうすればファーストナイト効果を最小限に抑えられるのでしょうか。いくつかの実践的な方法をご紹介します。
まず、できるだけ静かで暗い部屋を選びましょう。ホテルを予約する際、「静かな部屋」をリクエストするのも効果的です。エレベーターや製氷機から離れた部屋、通りに面していない部屋などがおすすめです。
到着したら、部屋の環境を整えます。カーテンをしっかり閉めて外の光を遮る、エアコンの温度を調整する、時計のアラーム音など気になる音源をチェックする。こうした準備が、睡眠の質を左右します。
いつもの習慣を持ち込む
自宅での就寝前の習慣を、旅先でも再現してみましょう。いつも使っている枕カバーやパジャマを持参するだけでも、脳に「安心感」を与えられます。
就寝前のルーチンも大切です。いつも寝る前に本を読む人は旅先でも読書を、ストレッチをする人はストレッチを。こうした「いつもの習慣」が、脳に「これから眠る時間だ」というシグナルを送ります。
耳栓とアイマスクの活用
慣れない環境での音や光は、睡眠を大きく妨げます。耳栓とアイマスクを持参することで、これらの刺激を効果的に遮断できます。
特に耳栓は、廊下の足音やエアコンの音など、ホテル特有の騒音対策に有効です。完全に音を遮断するのではなく、適度に軽減してくれるタイプがおすすめです。
リラックスする時間を持つ
旅行初日は、移動で疲れていたり、観光で興奮していたりします。就寝前には、意識的にリラックスする時間を持ちましょう。
温かいお風呂にゆっくり浸かる、深呼吸やストレッチをする、カフェインを避けて温かいハーブティーを飲む。こうしたリラックス法が、ファーストナイト効果を和らげてくれます。
参考文献
- The first-night effect of sleep: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39126649/
この記事は参考情報です。健康に関する相談は専門家にご相談ください。
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