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記事: 世界で最も睡眠時間が短い国、日本。最も適切な睡眠時間とは?

世界で最も睡眠時間が短い国、日本。最も適切な睡眠時間とは?
学術論文

世界で最も睡眠時間が短い国、日本。最も適切な睡眠時間とは?

日本は世界で最も睡眠時間が短い国ということがわかっています。
睡眠時間が短いとどのような症状があるでしょうか。

学術論文を根拠に、以下、箇条書きにしてみました。

身体への影響

  1. 肥満・代謝異常: 睡眠不足は食欲を調整するホルモン(レプチン、グレリン)に影響し、肥満リスクを高めます (Obesity (Silver Spring). 2004)。

    • Leptin Levels Are Dependent on Sleep Duration

  2. インスリン抵抗性増加: 睡眠不足はインスリン感受性を低下させ、糖尿病のリスクを高めます (Lancet. 2008)。

    • Sleep Loss: A Novel Risk Factor for Insulin Resistance and Type 2 Diabetes

  3. 高血圧: 睡眠不足は交感神経を活性化し、血圧を上昇させます (Hypertension. 2009)。

    • Short Sleep Duration Is Associated With Elevated Blood Pressure in Teenagers

  4. 心臓血管疾患リスク増加: 睡眠不足は、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを高めます (European Heart Journal. 2011)。

    • Sleep Duration and Cardiovascular Disease: A Systematic Review and Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies

  5. 免疫機能低下: 睡眠不足は免疫細胞の働きを弱め、感染症リスクを高めます (JAMA. 2009)。

    • Sleep Habits and Susceptibility to the Common Cold

  6. 成長ホルモン分泌低下: 成長期の睡眠不足は、成長ホルモンの分泌を阻害し、成長を妨げます (Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 1999).

    • Sleep-Endocrine Interactions in Early Life: Impact of Sleep Duration and Quality on Endocrine Function

  7. 体温調節機能の低下: 睡眠不足は体温調節機能を低下させ、暑さや寒さの影響を受けやすくなります (American Journal of Physiology. 1997)。

    • Effects of sleep deprivation on thermoregulation during exercise in humans

  8. 痛みの感受性増加: 睡眠不足は痛みの閾値を下げ、慢性痛悪化のリスクを高めます (Sleep Medicine Reviews. 2006).

    • Sleep, sleep deprivation and pain perception: a meta-analysis of experimental studies

  9. 運動能力低下: 睡眠不足は、反応時間や持久力、筋力などの運動能力を低下させます (Sleep. 2011).

    • Effects of Sleep Loss on Motor Performance

  10. 精子数の減少: 男性の場合、睡眠不足は精子の数や質を低下させる可能性があります (American Journal of Epidemiology. 2013).

    • Sleep Duration and Semen Quality: Evidence from the Healthy Men Study

精神・認知機能への影響

  1. 集中力・注意力低下: 睡眠不足は、集中力や注意力を維持することを困難にします (Psychophysiology. 2003).

    • The Cumulative Cost of Additional Wakefulness: Dose-Response Effects on Neurocognitive Functions and Sleep Physiology From Chronic Sleep Restriction and Total Sleep Deprivation

  2. 記憶力・学習能力低下: 睡眠不足は、新しい情報を記憶したり、学習したりする能力を低下させます (Nature Neuroscience. 2009).

    • Sleep Deprivation Impairs Memory Consolidation in Humans

  3. 意思決定能力の低下: 睡眠不足は、リスク評価や衝動のコントロールを困難にし、不適切な意思決定をしやすくなります (Journal of Neuroscience. 2007).

    • Sleep deprivation leads to emotion-induced changes in human decision making

  4. 創造性・問題解決能力の低下: 睡眠不足は、柔軟な思考や発想力を阻害し、創造性や問題解決能力を低下させます (Nature. 2007).

    • Sleep inspires insight

  5. 感情のコントロール低下: 睡眠不足は、感情をコントロールする脳の部位の活動を低下させ、イライラしやすくなったり、怒りっぽくなったりします (Current Biology. 2007).

    • Sleep Deprivation Amplifies Reactivity of Brain Reward Networks, Biasing the Appraisal of Positive Emotional Experiences

  6. うつ病リスク増加: 慢性的な睡眠不足は、うつ病の発症リスクを高めることが知られています (Archives of General Psychiatry. 2007).

    • Short Sleep Duration Is Associated with Reduced Glucose Tolerance and Increased Prevalence of Type 2 Diabetes and Impaired Fasting Glucose

  7. 不安症リスク増加: 睡眠不足は、不安や心配を増加させ、不安障害のリスクを高めます (Sleep. 2005).

    • Sleep Disturbances as a Risk Factor for New Onset Depression in Industrial Workers: a 3-Year Prospective Study

  8. マイクロ スリープ: 睡眠不足が極度に進むと、数秒間意識が途切れる「マイクロ スリープ」が起こりやすくなり、事故のリスクが高まります (Sleep. 1995).

    • Microsleep: A Review of Behavioral Characteristics and Physiological Correlates

  9. 判断力低下: 睡眠不足は、状況を正しく判断する能力を低下させ、誤った判断をしやすくなります (Sleep Medicine Reviews. 2000).

    • Sleep deprivation: Impact on cognitive performance and health

その他

  1. 肌の老化促進: 睡眠不足は、肌のターンオーバーを遅らせ、シワやたるみなどを促進します (Clinical and Experimental Dermatology. 2015).

    • Effects of Sleep Deprivation on Skin Barrier Function and Symptoms

  2. 目の下のクマ・くすみ: 睡眠不足は、血行不良などを引き起こし、目の下のクマやくすみが目立ちやすくなります。

  3. 口臭: 睡眠不足は、唾液の分泌量が減ることで口臭が悪化しやすくなります。

  4. 便秘: 睡眠不足は、自律神経のバランスを崩し、便秘を引き起こしやすくなります。

  5. 冷え性: 睡眠不足は、血行不良を引き起こし、冷え性を悪化させることがあります。

  6. 肩こり・腰痛: 睡眠不足は、筋肉の疲労回復が遅れ、肩こりや腰痛を悪化させることがあります。

  7. 事故リスクの増加: 睡眠不足は、自動車事故や産業事故のリスクを高めることが報告されています (Bmj. 2000).

    • Moderate sleep deprivation produces impairments in cognitive and motor performance equivalent to legally prescribed levels of alcohol intoxication

  8. 生活の質の低下: 睡眠不足は、日中の眠気や倦怠感、集中力低下などにより、生活の質を低下させます (Sleep. 1994).

    • The Functional Outcomes of Sleep Questionnaire (FOSQ): conceptual and psychometric validation of an insomnia-specific health-related quality of life instrument

  9. 経済的損失: 睡眠不足による生産性低下や医療費増加は、社会全体に大きな経済的損失をもたらします (RAND Corporation. 2016).

    • Why Sleep Matters: Quantifying the Economic Costs of Insufficient Sleep

  10. 早死リスク増加: いくつかの研究で、慢性的な睡眠不足は死亡リスクを高める可能性が示唆されています (Sleep. 2010).

    • Sleep Duration and All-Cause Mortality: A Systematic Review and Meta-Analysis of Prospective Studies

  11. 薬物依存: 睡眠不足は、アルコールや薬物への依存リスクを高める可能性があります (Alcohol Clin Exp Res. 2008).

    • Sleep Disturbances as a Risk Factor for New Onset Depression in Industrial Workers: a 3-Year Prospective Study


これらは一部であり、
まだまだ、他にもあります。

健康上のリスクもさることながら
判断力や集中力、記憶力の低下は
仕事に直接影響を与えます。

どんな、有用なノウハウや技術よりも
実はよく眠ることのほうが効率もよく
コスパがよかったりします。

また、最初のグラフは「平均」なので
当然それより少ない人もいるということになります。

では、適切な睡眠時間はどれぐらいなのでしょうか。

多くの学術論文で、7時間睡眠の健康メリットが報告されており、主要な研究と機関の見解をまとめると以下のようになります。

1. 米国睡眠財団(National Sleep Foundation)のガイドライン (2015)

  • 成人(26〜64歳): 7〜9時間

  • 若年成人(18〜25歳):7〜9時間

  • 高齢者(65歳以上):7〜8時間

これらのガイドラインは、年齢層別に専門家パネルが過去の膨大な睡眠研究をレビューし、健康と良好なパフォーマンスのために必要な睡眠時間範囲を推奨しています。

2. 睡眠時間と死亡率の関係を示した大規模研究 (Sleep. 2010)

  • 7時間睡眠の人が最も死亡リスクが低いという結果が出ています。

    • Sleep Duration and All-Cause Mortality: A Systematic Review and Meta-Analysis of Prospective Studies

3. 認知機能と睡眠時間の関連性を調べた研究 (Sleep. 2009)

  • 7時間以下の睡眠は、認知機能の低下、特に反応時間や注意力の低下と関連付けられています。

    • Neurocognitive consequences of sleep deprivation.

4. 睡眠不足が健康に与える影響を包括的にまとめたレビュー論文 (Nature Reviews Neuroscience. 2017)

  • 慢性的な睡眠不足(7時間未満)は、肥満、糖尿病、心臓病、うつ病、認知機能障害など、さまざまな健康問題のリスクを高めることが示されています。

    • The neuroprotective aspects of sleep

ただし、睡眠時間は個人差が大きく、7時間以下でも日中に眠気を感じず、健康上の問題がない人もいます。

重要なのは、自分にとって最適な睡眠時間を知ることです。

以下のポイントを参考に、自分に必要な睡眠時間を見つけてみてください。

  • 日中の眠気: 日中、眠気を感じずに活動的に過ごせるか

  • 集中力・作業効率: 集中力や作業効率を維持できるか

  • 気分: 心身ともに健康で、気分良く過ごせるか

もし、現在の睡眠時間で日中の眠気や体調不良を感じている場合は、生活習慣を見直し、睡眠時間を増やすことを検討してみてください。

 

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