
エナドリは睡眠を壊す?若いほど注意が必要な理由
Calmoon睡眠ラボでは、「睡眠・休息を科学する」をテーマに、睡眠に関する科学論文を研究しています。そのなかから、あなたの生活にすぐ役立つ情報をピックアップしてお届けします。

エナジードリンクの人気と若者への影響
エナジードリンクは、特に若い世代の間で人気を集めています。試験勉強、部活動、アルバイト、友達との夜更かしなど、様々な場面でエナジードリンクを飲む機会があるのではないでしょうか。「眠気を覚ましたい」「集中力を高めたい」という理由で手に取る人も多いでしょう。
しかし、エナジードリンクには大量のカフェインや糖分が含まれており、特に若い世代の睡眠に深刻な影響を及ぼす可能性があることをご存知でしょうか?短期的には目が覚めて活動的になれるかもしれませんが、長期的には睡眠パターンを乱し、健康リスクを高める可能性があるんです。
エナジードリンクに含まれるカフェインの量
エナジードリンクの主要成分はカフェインです。一般的なエナジードリンク1缶(250ml)には、約80〜160mgのカフェインが含まれています。これは、コーヒー1杯分以上のカフェイン量に相当します。
問題なのは、エナジードリンクが飲みやすく、短時間で大量に摂取しやすいことです。特に若い世代は、1日に複数本のエナジードリンクを飲むこともあり、知らず知らずのうちに過剰なカフェインを摂取してしまうことがあります。カフェインの過剰摂取は、不眠、動悸、不安感、胃腸障害など、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。
若者の睡眠時間への深刻な影響
研究によると、エナジードリンクを定期的に摂取する若者は、睡眠時間が有意に短くなることが示されています。ノルウェーの青少年を対象とした大規模な研究では、エナジードリンクの摂取頻度が高いほど、就寝時刻が遅くなり、総睡眠時間が減少することが明らかになりました。
特に懸念されるのは、夕方以降にエナジードリンクを飲む習慣です。カフェインの半減期(体内で量が半分になるまでの時間)は約5〜6時間です。つまり、午後5時にエナジードリンクを飲むと、午後11時になってもカフェインの半分が体内に残っていることになります。これが寝つきを悪くし、睡眠の質を低下させる原因となります。
睡眠の質の低下とその影響
エナジードリンクは、睡眠時間を短くするだけでなく、睡眠の質も低下させます。カフェインは、深い睡眠(徐波睡眠)を減少させることが知られています。深い睡眠は、体の回復、成長ホルモンの分泌、記憶の定着などに重要な役割を果たします。
若い世代、特に成長期にある中高生にとって、十分な深い睡眠は身体の成長と発達に不可欠です。睡眠の質が低下すると、日中の眠気、集中力の低下、学業成績の悪化、気分の不安定さなど、様々な問題につながります。皮肉なことに、勉強のためにエナジードリンクを飲んだのに、その結果として学習効率が低下してしまうこともあるんです。
糖分の過剰摂取とその他の健康リスク
エナジードリンクには、カフェインだけでなく大量の糖分も含まれています。1缶あたり約25〜35gの糖分が含まれており、これは角砂糖約6〜9個分に相当します。この大量の糖分は、血糖値の急激な上昇と下降を引き起こし、エネルギーレベルの変動や気分の不安定さにつながります。
さらに、エナジードリンクの定期的な摂取は、肥満、糖尿病、心血管疾患のリスクを高める可能性があります。特に若い世代で問題なのは、この時期に形成された食習慣が成人後も続く傾向があることです。若いうちからエナジードリンクに依存する習慣がつくと、長期的な健康リスクが高まります。
依存性と悪循環
エナジードリンクの危険性の一つは、依存性です。カフェインには軽度の依存性があり、定期的に摂取していると、それがないと疲れや眠気を感じるようになってしまいます。
特に問題なのは、睡眠不足とエナジードリンク摂取の悪循環です。夜遅くまでエナジードリンクを飲んで起きていると、翌日眠気が残ります。その眠気を覚ますために、また エナジードリンクを飲む。これが繰り返されると、慢性的な睡眠不足とカフェイン依存に陥ってしまうんです。
健康的な代替策
では、眠気を覚まし、集中力を高めるためには、どうすれば良いのでしょうか?最も効果的な方法は、十分な睡眠を確保することです。当たり前に聞こえるかもしれませんが、これが最も根本的な解決策なんです。
また、日中の眠気には、短い昼寝(20〜30分程度)が効果的です。軽い運動やストレッチも、血流を促進し、眠気を覚ます効果があります。水分補給も大切で、脱水状態は疲労感や眠気を引き起こします。朝の光を浴びることで体内時計が整い、夜の睡眠の質も向上します。
エナジードリンクとの賢い付き合い方
完全にエナジードリンクを避けるのが難しい場合もあるでしょう。もし飲む場合は、いくつかのルールを守ることをお勧めします。まず、午後3時以降は飲まないようにしましょう。これにより、就寝時までにカフェインが代謝される時間が確保できます。
また、1日1缶までに制限し、毎日飲む習慣は避けましょう。本当に必要な時だけに限定することが大切です。そして、エナジードリンクを飲んだ日は、特に意識して水を多く飲み、その後の睡眠時間を確保するようにしましょう。
まとめ:若いほど注意が必要な理由
エナジードリンクは、特に若い世代の睡眠に深刻な影響を及ぼします。成長期にある若者にとって、十分な睡眠は身体的・精神的な発達に不可欠です。エナジードリンクによる睡眠不足は、学業成績、健康、そして将来の生活にまで影響を及ぼす可能性があります。一時的な覚醒効果に頼るのではなく、規則正しい生活習慣と十分な睡眠を確保することが、最も効果的で健康的な選択です。エナジードリンクに頼らなくても元気に過ごせる生活習慣を、今日から築いていきましょう。
参考文献
- Sleep and energy drink consumption among Norwegian adolescents: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35303832/
- Toxicity of energy drinks: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22426157/
- Energy Drinks and Sleep among Adolescents: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36145187/
この記事は参考情報です。健康に関する相談は専門家にご相談ください。
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